だいぶ人を選ぶ内容になってしまったので一部のみの公開に致します。すみません。
──止まれ、とまれ。
頼むから、止まってくれ。これ以上は死んでしまう。
「ことわる。おまえのそんなかおは、めったに見られない」
もう無理だって。親より先にあの世に行きたくはない。
「いやだ。もっと、みせろ」
ほんとに、まじで、もうやめろって。心臓がおかしくなる。
「おかしくなったら、医者をよんでやるから、あんしんしろ」
「っこの……! 安心できるわけねえだろうが!」
思わず大声を出しても、ぽやぽやしながら首を傾げるだけ。その様子に気が抜けてしまい、椅子の背もたれに思いきり体を預けて深い深い溜息をついた。
***
「じかんが、とまれば、いい……」
「え?」
伏せられていた水色がこちらを向いて、とろんと融けた。
「そうすれば、ずっと……おまえといられる」
2024/9/23 #5
9/20/2024, 10:10:13 AM