かも肉

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作品13 落ちていく


 気づいたら、雪でうっすら白くなった、見知らぬ街に立っていた。ここまで来た道のりを一切覚えてない。それどころか、街の光景に、何か違和感を感じる。
 「ここはどこですか?」
 心に浮かんだ疑問をそのまま、近くにいた人に聞いてみる。しかし、その人は突っ立ったまま、何も答えなかった。
 仕方ない。他の人に聞こう。
 足に力をいれ歩こうとし、先程感じた違和感の正体に気づく。足が地面とくっついたように、全く動かないのだ。腕もお腹も。辛うじて、顔が動く程度で。
 怖くなって、大声を上げた。
「誰かー!助けて下さーい!」
 一所懸命声を張り上げるが、誰も振り向いてくれない。どうやら他の人たちも、私と同じ状況にいるようだ。街全体を巻き込んだドッキリか?いや、それはおかしい。ドッキリなんかじゃ、私がここまで来た記憶がないことの、説明がつかない。
 誰でもいい、助けてくれ。
 そう願っていた次の瞬間、私達の目の前に、一人の子供が歩いてきた。助けて、と声を出そうとしたが、とうとう声さえ出てこなくなってしまった。
 その子は私達をじーっと見たあと、私達に手を伸ばしてきた。子供の手なのに、なぜか大きく感じる。こわい。
 子供の手がみるみるうちに近づいて、ガシッと体を掴まれたと思うと、突然地面と空が逆さまになった。雪が空に落ちていく。
 しかし、私達は固定されたままだから、空に落ちていくことはない。
 動けなくてよかったと思っていると、隣から悲鳴が聞こえた。さっき話しかけた人が、空に落ちていくのに巻き込まれてしまったようだ。
 私もああなるのかと怯え、早くもとに戻ることを願っていると、始まりと同じくらい突然、地面と空がもとに戻った。そして空から、雪とさっきの人が、ゆっくり落ちてきた。その人は、地面に転がったまま、何も話さなくなった。
 外からさっきの子供の声が聞こえる。
「ままースノードームの人形壊れちゃったー。」
 


⸺⸺⸺
眠くて頭が回りません。特大ミスしてそう。
落ちていくって題名だし、椿の話にしようとしましたが、悲しきことに牡丹と見分けがつかなくて諦めました。

11/23/2024, 11:53:10 AM