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どこまでも続く青い空


永遠に続くと漠然と思ってた
そんなハズないのに、分かっていたハズなのに
来るはずの未来から目を背けて
この、どこまでも続く青い空のように
終わりなくこの日々が続くと信じようとしていた

けれどそんな叶わない夢は脆くも崩れ去り
桜が咲く季節にそれぞれの道へと放り出された

つい数ヶ月前まで毎日バカ騒ぎをしていた人達は
新しい地にさっさと馴染んで
まるで最初からそこに居たような顔をしている。

私だけがあの日の空の下に取り残されてるような感覚は否応無く孤独で寒かった
あの日は暖かな陽が照っていたはずなのに
真冬のどんよりとした曇り空のよう

「隣いい?」

ふと、隣の少し上から声がした
何が起こっているのか分からない私は「へ?」と気の抜けた声を発した
恐らく顔も阿呆面だろう。

「ここ、空いてるなら座りたいんだけど」

怒らせてしまったかもしれない
そう思わせる声色が緊張していただけだと知ったのはこの日から少し経った日のことだった

私の空は青い

10/23/2023, 11:53:14 PM