身の丈に合わない、ピカピカなティーカップ。
まるで、おとぎ話で出てくるお姫様が使うような、高級そうな、ティーカップ。
心がくすんでしまった私だって、幼少期の頃はこういう純粋なものに憧れていた。
私だって、お姫様になれると、可愛いあ女の子になれるって、密かに思ってた。
それでいて、かっこいい男の人に一目惚れされて、そのままハッピーエンドに……。
そう、可愛くて綺麗なお姫様は、ハッピーエンドがお似合い。
くすんで小汚い私には、そんなものは似合わない。
そっと、ティーカップを食器棚の中にしまった。
まだ、引っ張り出すには早かったみたい。
11/11/2025, 2:10:34 PM