『お気に入り』子供の頃、紅葉の木の上がお気に入りの場所だった。薄暗い木の上から、陽の当たる田舎道を行き交う人々や、農作業の様子を眺めていた。こちらから見えて、向こうから見えないこの場所にいると、自分はこの世に存在しない人のように思えてくる。居るようでいない。居ないようでいる。人間関係もそういう位置がお気に入りだ。
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