ぼぼ

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 たった一つの希望。
 そんなものは幻想だ。
 
 誰もが助けを待っている。
 助けて欲しいと願った時、そこに英雄が現れたのなら、それはどんなに幸福であろう。

 けれど、そんな人間は一人として現れなかった。
 だから地獄の底にいる。
 だからたった一つのチャンスを逃すまいと躍起になる。
 その希望が絶たれた瞬間を、人は絶望と名付けるのだろう。

 ならば希望など最初からない方がいい。
 希望など感じなければ、絶望を味わわずに済む。
 ただ、それはなんて苦しいことだろう。
 希望無くして、人は立っては居られない。

 だから希望は、己の中にたった一つ、常にある。
 己が死なない限り、永劫消えることは無い。
 
 その希望は、絶望には変わらない。
 勇気に変えて使うものなのだ。
 

 

3/2/2023, 11:06:23 AM