語り部シルヴァ

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『瞳をとじて』

目を閉じると、真っ暗な世界が広がる。
わずかなノイズが混ざりウェーブしたり点滅したり、
不思議な感覚に包まれる。
明るい場所で目を閉じると白い世界が広がる。

この世界で意識が無くなればそれは"眠る"ということだろう。
そう思いつつ寝ぼけた頭をリセットするように
頭を横に勢いよく振る。
そういえば幼馴染の部屋に来ていたのを思い出した。
幼馴染に誘われて勉強して途中で
お昼寝に変わったんだっけか。

寝る前の記憶を思い出す度に目が冴えていく。
静かに伸びをして幼馴染の寝顔を覗く。
普段はうるさいけど、顔はしっかりしてるんだよな...

じっと覗き込んでいると、幼馴染が目を覚ます。
私で影になっているはずの瞳はキラキラしている。

寝ぼけた幼馴染の「おはよう」に私は
不意に可愛いと思ってしまった。
目を瞑っても、白い世界が広がって顔は暑くなるだけだった。

語り部シルヴァ

1/23/2025, 2:34:23 PM