【君の目を見つめると】
「ピンクムーンって言うらしいよ、今日の月」
親友と遊びに出かけた帰り道。
まんまるな月を見上げて、隣の彼はそうはしゃいだように言った。
「へー、全然ピンクに見えないけど」
「そう呼ばれてるだけ。ピンクになるわけじゃないよ」
綺麗な月だなと思う。満月なのかもしれない。
ぼんやり考えていると、彼の声が邪魔をした。
「なぁ、」
横を見ると、目が合う。
「ん?」
「月が、綺麗ですね」
無意識に足が止まる。目線を外せずにいると、ニヤリといたずらに笑った。
「なーんて。彼女に言う練習だよ」
「お前彼女いないだろ」
慌ててツッコむ。
「あーあ、彼女欲しー!」
いつも通りに話しながら、ピンクムーンを見るたびに彼のことを思い出すのだろうと思った。
fin.
4/7/2026, 9:44:58 AM