私はずっと窮屈だった。
なまじ優秀なばかりに、数多の仕事や責任が押し付けられる。そのくせ失敗したら、期待外れみたいな目を向けられながら乾いた激励を送られる。
私はこんな日々を過ごしたくて此処にいるんじゃない。
でも……抜け出すには、臆病すぎた。
もうおしまいにしようか。
でもそんなある日、ふらっと現れた君は言ったんだ。
『僕と一緒に来ない?』
でも。私には勇気がない。自信だってない。それなのに――
『いいんだよ。さあ行こう?』
私の運命は、動き出す。
『ここではないどこかへ』
6/27/2023, 10:07:57 AM