「この道やけに湿ってるね。なんかきしょいわあ」
ぴちゃりぴちゃ、と音を立てながら歩く少女はぼやいた。
「なんか赤いし。そこの池も赤いよな。なに?血でも溜まってんの?!いやだー!」
きゃーきゃーと叫びながらも、歩き続ける。
「ん?道の色変わったね。周りの風景もだ。」
赤くおどろおどろしい景色から一変、白く美しい景色が現れた。
「地獄から一気に天国に来ちゃったカンジ?不思議な道やなあ」
カツンカツ、と音を立てながら歩く。
「ヒールじゃねぇのにいい音するね。」
楽しそうに歩いて行く。
「彼女、ずぅっと同じところを回っているね。今さっきも同じことを言いながら、歩いていたよ。」
また、回ってくるんだろうね。楽しそうな背中を見ながら、別の少女がぼやいた。
7/3/2023, 1:28:27 PM