『涙』
夕日が咲いた桜たちを照らしながら沈んでいく。
この時間に散歩するのが日課になった僕たちは
今日も一日楽しかったと振り返りながら
オレンジ色に染まりつつある公園を歩く。
昔は好きじゃなかった夕焼けも
君と一緒だからか好きになってきた。
そんな君となら、
これからもお互い幸せになれるかもしれない。
そう思い今日はちゃんと伝える日だ...。
散歩道の折り返し地点。
少し高い位置にあるここは人通りが少ない。よし...
「あのさ。」
「うん?」
「これからもずっと一緒に散歩したりしてくれないかな?」
そう言いながら結婚指輪を見せる。
君は口を覆い驚いていた。次第に目が滲んでいく。
「そんなに泣く!?」
驚いていると君は目を擦りながら答える。
「違うの、花粉症今来たっぽい。」
語り部シルヴァ
3/29/2025, 10:44:19 AM