#28 あの頃の不安だった私へ
「ねえ」
「うん?」
「過去の不安がってる自分にかけるべき言葉ってあると思う?」
「ないね」
「即答か。でも私も同じだな」
「結局乗り越えられてるわけだしね」
「うんうん。あ、あれなら言ってやりたい」
「なに?」
「刮目せよ!」
「…確かに」
刮目とは、注意して見ること。
『刮』という字には目を擦る意味があって、
特に、思い込みや先入観を捨てて注意深く見るイメージがある言葉のようです。
過去の自分にアレやこれや言いたくなるなら、
それは後悔というべきものなので。
不安だった、と過去形にできるのは、
その事を完全に乗り越えているからこそ。
美味しいものでも食べて、
今の自分を褒めてあげましょう。
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不安なときを過ごす自分というのは、
「頭では分かってるけど不安」と言っては
自分の中に答えを探そうとする傾向があって。
日々辛い気持ちで過ごしていた頃は、それこそ光の無いトンネルを歩くようだった。
なんとなくゴールの形は予想できても肝心の出口は見えず、どれほど歩けば出られるか分からない。
実際に目を塞がれているわけでもないから、
結局周りに目を向ける余裕がなかったんだと思う。
だから、声をかけるなら、顔を上げて視野を広く持て、くらい。出来なかったから辛かったんだけど。
今、不安を感じていないなら。
わざわざトンネルを覗く必要はない。
好きに光の中を歩けばいい。
5/24/2023, 4:06:14 PM