堕なの。

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◤少女漫画的◢

「可愛い子猫ちゃん」

目の前でそう囁く男は俺様なイケメン。少女漫画でよく見るヤツ。私は可愛い子が好きなので特にキュン、なんて反応はしない。無視に限る。

「俺の子猫ちゃん、どこに行くの」

どうやらコイツは大分メンタルが強いようで、無視した程度じゃいなくならないらしい。仕方ない。これは友だちと編み出した最終手段なのだが使うしかないだろう。

「へ〜、おもしれー男」

決まった。イケボでこんなこと言われたら大抵の男はプライドがズタボロにやられてどこかへ行く。そう、これが私の必殺技。少女漫画返しだ。

「はっ、」

のはずが、なぜか顔を赤く染める男。存外かわい、

いや、ないない。こんな男に可愛いだなんて、ありえない。こんな、可愛げの欠片もないやつなんて。

「お前なんかには、絶対落ちないんだからな」

相手の男はなぜか、負け犬の遠吠え的な叫び方でどこかへ行った。自分の頬も熱くなっている気がする。

もしかしてこれ、アイツがヒロイン?


テーマ:子猫

11/15/2023, 12:38:15 PM