梅雨

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眠れないほど  No.2

絶えず粉雪が、窓に優しく降り注いでは溶けた。
ぱちぱち音を立てて揺れる炎を眺めて、一体何時間たったのか。
眠れない夜ほど冷え込んだものはない。マグカップを握る指さえも、凍ってしまったように硬かった。

なにもかんがえない。…そう決めて、潜った布団も冷え込んでいた。

布団の中の私に、真夜中を知らせる鐘が鳴った。ぼーん、ぼーんと頭に響く。
最後の音が静かに消えていくと、同時に薪が燃え尽きた。
光を失っても、外の粉雪はまぶしかった。

もし、この冷たい真夜中を満たしてくれるなら

あの日みたいに
君をこの胸に抱きしめて眠りたい

12/5/2023, 10:45:24 AM