ある日、1人の男の子に出会った。
彼は私と同い年だけど学校には行けてないらしい。
理由を聞いたけど答えてはくれなかった。
夏休み、私は祖父の家に来ていた。
退屈すぎて外に遊びに出ていたところ、彼を見つけた。
それからほとんど毎日一緒に遊んだ。
川にも行ったし、山にも登った。
あと2日で帰らないといけない。
それが嫌だった。
私は彼が好きだった。
一緒にいて本当に楽しかった。
笑ってくれるのが嬉しかった。
次の日、彼は来なかった。
その次の日も来なかった。
私が東京に帰る日になった。
車に荷物を詰め込み乗り込もうとした時、ふいに風が吹
いて私の帽子を取っていった。
はっ、、!っとして空を見上げると。
彼が悪戯そうに笑って帽子を持っているのが見えた。
私は神様と一緒に遊んでいたらしい。
でもそれはお母さんにもおばあちゃんたちにも言わない
し、言えないこと。
これは2人だけの秘密だから。
5/4/2024, 4:52:23 AM