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「オキニとかオキラとか変わんなくないですか?」
むしろ対義語だろ、と新作フラッペをズゴズゴ吸う。
彼女は夜職のポエマーティーンだ。以上でも以下でもない。
「ナゼに?」
「だってオキニもオキラも推し認知もらってるじゃないすか」
最近お熱なアイドルにこじらせたのだろうか。声がでかい。
「フーン、でも、オキラは干されるじゃん?」
「オキニだってたまにファンから干されますよ」
へー、オキニのオキニは気に入らないのか。身勝手なの。
でもアイドルからしてみれば、オキニは神様、オキラはカスだ。全然一緒じゃないじゃん、と薄味ホイップを飲み干した。

「最前でファンサ貰ってたでしょ! チョーシ乗んないでよね!」
カワイイ子がギャンッと毒を吐くのは、ポメがキャンッと人見知りを発揮するのに似ている。
誰かのオキニな時点で、誰かのオキラだ。好きな人の好きな人なんて絶対気に食わないに決まってる。

……つまり、このカワイコちゃんは、私が奴のオキニだと思ってるんだ。
「なに笑ってるわけ? キモいんですけど」
なんて、ちょっと優越感。
【お気に入り】2024/02/17

2/17/2024, 11:50:26 AM