心機一転

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『水たまりに映る空』

アスファルトの水たまりにはまだ波紋がポツポツと弧を描いていた。さっきまでの雨粒はどこへ流れたのか、ちいさな水たまりは雨粒たちの存在証明のように、まだ雨が止んでいないことを告げる。
水たまりに映る空は、そのまま空の色だった。ロバ色の優しい雨雲の色だ。私は、雨の日の空をロバ色だと思っている。賢く優しいロバの色が好きだから。
泣けない人のためにロバ色の空が泣く。それが雨だ。

雨粒たちは優しく波紋を残し、どこかへ流れていった。

6/5/2025, 12:26:43 PM