名勿し

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本当は私の人生に、誰も関わって欲しくなかった。

私の友好関係という間のテリトリー、

人とのコミュニティと言う空間に誰も入れたくない。

私は私が1人である事に信頼感を持っており、

己の自己解決、自業自得で済むならば、
それに越した事は無いと思って居た。

私にだって一丁前に恋人が居た時もあった。
しかし私のパーソナルスペースに土足で踏み入った為
そいつとは1週間も持たなかった。

私にしか理解出来ない私だけのルールや考え方、
人との正しい距離の取り方、あの子の存在。

理解出来ないと突っぱねられた。

そんなの上等だった。

誰よりも自分を理解して愛せるのは自分でありたいと
私は思って居たから。

だから奴にどう理解出来なかろうが、
私を知った風に語ってんじゃねぇよ。
私を知った気になって同情しようとしてんじゃねぇよ。
勝手についてきたくせに、離れていくのはそっち
じゃねぇか…。

だから、1人でいたかった。

1人で居た方が、楽だから。

1人でいれば、取り繕いで生まれたあの子は出て来ない。

その場を流さなくても良い。

人に愛想を振り撒かなくて良い。

誰にでも分け隔てなく何て綺麗事を、言わなくて良い。


ずっと、それで良いと思ってたのに。


いつからだろう。


それが悲しい事、虚しい事だと気付いてしまったのは。

悟ってからではもう遅かったけれど、

私、これで本当に幸せなのかな…。


人の不幸を一心に祈って来た私が幸せを求めるなど
浅はかで笑われるだろうが、裏を返せば私は、
幸せな人が羨ましくて仕方がなかったんだ。
素直になれない私は幸せになりたいと豪語出来ずに
辛い道のりを自分から選ぶと言うバカな選択を取った。

普通の人が普通に望むであろう普通の幸せじゃ
どうにも渇きが来てならないから。

どんな愛もどんな感情もいつかは冷めると思うと、
冷められる瞬間が一番怖くて、踏み出せなかった。

Nは、私のそんな弱い部分に飛び込んで来た。
私が作ったコミュニケーションの壁をぶっ壊して
全部ぶっ壊して入って来た。
鈴を転がすように笑う彼女は、
私に一人じゃないと教えてくれた。

私は他人だと思ってた彼女は、私にとってなくてはならない存在になっていた事に、私は今まで気付かなかった。
Nと言うあの存在は、このモノクロで窮屈な世界で、
唯一差し色をくれた大事な人に変わっていた。


Nには絶対言わないけれど、
私の幸せの意味になってくれてありがとう。
私は今、貴方がそばに居るだけで幸せだ。


くさいこと言った。

これ見られたら終わるな…

やっぱり一人の時間、Nに内緒でこうやって惚気を書いてる時間が、最近私は何となく好きになっていってる。

一人も悪くない。

けれど、

二人で居るのも存外悪くない。

7/31/2023, 4:46:29 PM