『秋恋の時』
秋の季節が恋しくなる。何故なのだろう。食に対してなのか。読書に対してなのか。それとも、芸術に対してなのか。
私には分からない。ただ、秋になると無性に恋しくなるのだ。
もしかしたら、忘れてしまっているのかも知れないが、初恋の時が秋だったのかもしれない。
そして、初恋とは実ることは稀だ。実らない恋のことを何時までも引き摺っているからこそ、恋しくなっているのかもしれない。
あるいは、好きだった人と別れることになったのが秋で、そのことを考えると恋しくなるのかもしれない。
どちらにしても、またはそれ以外だとしても、私にとって秋という季節は恋しいものだ。
もしかすると、ここ数年の異常気象によって、僅かだった秋の面影が残暑によって追いやられてしまったこと。それ故に短くなってしまった。秋を感じづらくなってしまったことを恋しく思っていたのかもしれない。真相は分からないがね。
恋しくなる理由をつらつらと挙げていったがどれも納得できるようで納得し難いものがある。過ぎ去ってしまっているものに対する恋慕なのか。それすらも私には分からない。
ただ分かるとするならば、秋の時が過ぎ終えれば冬の時が来るということ。どんな寒さになるのかは、今のところ知る由もないのだからーー。
9/21/2024, 11:39:35 AM