『見えない未来へ』
先が見えない、なんてことをよく言いますが、未来が見えないなんて当たり前でさぁね。
見えちまったら、そりゃもう、ただの予定であって未来じゃ御座んせん。
ええ、“予め定まったもの”と書いて「予定」。“未だ来ていないもの”と書いて「未来」なんで御座います。
しかしなんですな、みなさんそんなに、先のことが知りたいもんなんですかな。
アタシゃね、見えたら見えたで気苦労が多いんじゃないかと思うんですよ。
見えたからって、全部が全部、避けて通れるわけじゃないんでしょ?
嫌なことや悪いこと、怖いことが起こるとわかっているのに、そこに向かっていかなきゃならないなんて、おっかなくてしょうがねぇですよ。
知っていれば気構えができるとか、何かしらの準備ができるとか、そういうのは随分と自分に頼れる人の考え方だと思ってね。
アタシなんて、自分がそんな大変なことを上手く対処できるなんて、とてもとても思えないもんで。なんとか、気づかずにスルッとやり過ごせないかと、そればっかり。
ですからね、神様仏様が上手ぁく目隠ししてくれんなら、それでいいかな、なんて思うんですよ。それも慈悲ってもんでさぁね。
11/21/2025, 8:51:46 AM