松依 私。

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「-精細な花って、ご存知です?」

繊細な花,,,
想像もつかないのですが、
それは、貴方のような花の事ですか,,?

おや、違うのですか。
では、
教えて貰ってもよろしいでしょうか。

ん?
何故私のような花だと思われたのかって、
特に深い意味はないんですけどね笑
ただ、僕にはそう見えただけですよ。
手が触れただけで、華やかに。美しく。
それでいて、静かに散ってしまいそうで。

ふふっ笑
何をそう、恥ずかしがるんです?
本当に可愛らしいお方ですね,,。
で、僕の質問の答えを聞いていないのですが。


「答えなんて無いんです笑
ただ、誰かの意見を聞いてみたかっただけなんです。
花は全て繊細だと思いますし。
でも、繊細な花って言葉にしてみると、
花のその、繊細さ・魅力が誇張して見えませんか?
それと、花でも、いくら繊細であっても、土との縁は自ら切る事は出来ないと言う事を、示しているのではないかと私は、思っているのです。」

確かに,,そうですね。
今日も、また美しい言葉を教えて頂きましたよ。
あの、僕、あなたの世界観、審美眼、感性などが、本当に好きなのです。
だから-。


最後の言葉を聞く前に、彼は天へと登って行ってしまった。
私も、好きだったんです。
ふわふわと、柔らかそうな髪。
おっとりとした、低めの男性らしい声。
端麗で、優しそうなその、大好きなお顔。

「繊細な花」
とは、彼に作り、送った言葉なのです。
私はずっと、儚く繊細な彼がいつか、
ふらっとどこかへ、
行ってしまうのが怖くて。もう,,,。

繊細な花。
この言葉で、彼を縛っていたくて。














6/25/2023, 2:05:36 PM