冬華(トウカ)

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綺麗にされた銀色の檻
それは僕を閉じ込める
出して出して、ここから出して。
必死に叫ぶけれど、外にいる大きな生き物はよくわからない言葉を言いながら不気味な顔をする
しばらくして、足で小さなものを持って近づいてきて、銀の檻の一箇所を開ける
逃げられる、と思ったが、その謎のものを檻の中に置いてすぐに閉じてしまった。
なんだあれは、茶色いあれは。
怖い。知らないものばかり。
お父さん、お母さん、どこなの?怖いよ。


………それから一年後

ここでの暮らしは快適だ。
ご飯は出るし、体のケアはしてくれるし、死にそうなほど寒い日はないし、暑い日もない。とても快適な暮らしだ。

しかし、「窓」という透明な壁の向こうに広がる外の世界に、今でも行きたいと感じる。

7/26/2024, 5:41:47 AM