七星

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『海の底』

海の底に沈んだ船の中を探索していて死にそうになった人の再現ドラマを、かつてテレビで見た。その男性は自らの経験を最大限に活かして、結果として相棒とともに九死に一生を得たという。

未だに、そのドラマの内容や情景が脳裏に蘇ってくることがある。それはまさに、脳内にある海の底から浮かび上がってくるような、どこかおどろおどろしい雰囲気を持っている。明け方などに思い出そうものなら、私はたちまち全身が強張ってしまいそうな恐怖に襲われる。

もし金縛りに遭っている最中に、うっかりこのような恐ろしい情景を想起してしまったら、もう最悪である。掃除機をかけているような雑音が耳の奥で響き、たちまち息が苦しくなって、浅い呼吸を何度も繰り返しながら、金縛りが解けるのを待ち続ける羽目に陥るのだ。

ようやく金縛りが解けたとしても、寝た気がしないまま、下手をしたら生きた心地もしないまま、海底の泥のような重くぼんやりした意識に包まれることになるのは間違いない。

海の底というと、綺麗な熱帯魚や珊瑚、未知の生物などがいる竜宮城のような場所を思い浮かべる向きが多いと思うけれど、私が最初に思い浮かべたのは以上のような怖いイメージであった。

ああ……どうして、もっと明るいことを書けないのかなぁ、私は。

1/20/2026, 12:10:43 PM