黒山 治郎

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公園内を見渡せる筒抜けの檻のてっぺんで
日が暮れて星空が幕を上げるのを眺めた。

呼ぶ声はまだ聞こえてこない
もういいよと宛名もなく呟く
探して欲しいと願いを込めて
鬼なんて居ないと知りながら
夜空を睨み上げて、もう一度

「もう、いいよ…」

諦観を混ぜた情けない声は
濁世へと飽和し跡形もない

少しの苛立ちに任せて蹴り脱いだ靴は
追い討ちをかけるように、嬉々として
明日も君だけは雨だろうと告げていた。

ー ジャングルジム ー

9/23/2024, 4:18:53 PM