かたいなか

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前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界多様性機構なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
この多様性機構がこれまた万年財政難!

滅びそうな世界の住人を、まだ若くて発展途上な世界に密航させたり、
発展途上な世界の文明に、勝手に先進世界の技術を導入して過剰に発展させたり、
そんな高コストな「慈善」行為ばっかりなので、
親組織の多様性機構も、
その支援機関、出先機関たる「領事館」も、
お金をいくら持ってても、足りないのでした。

そもそもその所持金自体がバチクソ少ないという。

そんな、いっつもいっつも赤字とギリ黒字とトントンの間を行ったり来たりしておる機構です。
機構には、推しのカタキばりに敵視しておる公的機関がありまして、
それは世界線管理局と言いました。

彼等は密航を取り締まったり、
別世界への過剰・違法な技術導入を阻止したり、
あるいは別世界から別世界への合法的な航路を敷設したり整備したり、封鎖したり、
多様性機構よりも多くの公的事業を、多様性機構より広く、深く、法律にのっとって為しています。

実はこの管理局の経理部長が
ドチャクソに、バチクソに、どえらいほどに、
資金を増やすことにかけては神同然でして。

稼いだお金が次々消えていく機構と、
稼いだお金を次々増やしていく管理局。
管理局に嫉妬し、管理局を憎悪する機構と、
機構のことは違法団体としか思ってない管理局。
そんな、ふたつの組織がありますので、
機構が管理局に忍び込んで、資金を盗もうとするのは、まぁまぁ、必然なのでした。

ということでここからお題回収開始。

誰よりも、ずっと財政難の多様性機構が、
誰よりも、ずっと錬金術に長ける管理局経理部に、
忍び込んで、あっちこっち調べて、
機構のスパイのうちの1人が、なんと錬金釜の張本人に遭遇したのでした。

「にゃご。にゃごにゃご。にゃーご、にゃーご」
管理局の経理部長は、なんと、おデブな鍵しっぽの巨大猫だったのです!
「にゃーご。にゃーご。にゃごにゃご、なぁご」
経理部長は管理局内でのビジネスネームを、プロアイルルスといいました。

「プロアイルルス部長は、こう仰っています」
機構のスパイに、経理部長の秘書たる魔法生物が、主人の鳴き声を通訳て伝えます。
「プロアイルルス部長は、
『機構のスパイよ。お前が機構の構成員であることは、吾輩にはお見通しである。
カネが欲しくば好きなだけ、くれてやろう』
と、仰っています」

なんだって?!
元々、管理局の資金を盗みに潜入していた機構スパイでしたが、経理部長の言葉にビックリ!
だって、モノホンの黄金と、モノホンの白金と、モノホンのイリジウムとパラジウムとクロノタキオニウムの延べ棒を、
ドンと、惜しげもなく、並べ始めたのです!

これでは、潜入したスパイを全員呼び出して、勝手に持って行けと、言っているようなものです。

「にゃぁーご!にゃぁーご!
なごなごなご、なぁご!にゃぁーご!」
ところでプロアイルルス部長、目をギラギラに光らせて、興奮した様子で何か鳴いています。
「にゃああご!にゃごにゃご!んなああご!
にゃごにゃごタタカエアラソエにゃごぉ!」

「プロアイルルス部長は、こう仰っています」
罠や伏兵、警備員、その他セキュリティーを警戒する機構のスパイに、しかし秘書が言いました。
「『安心しろ!何も隠していないし、誰を伏せてもいない!お前は安全だ』と仰っています。

『そのかわりお前はカネのために、
お前と一緒に忍び込んだ仲間を全員呼び出し、1人になるまで潰しあうのだ!』と仰っています」

そうです。なんということでしょう。
このプロアイルルス部長、世界線管理局という不正や違法を取り締まる側の局員なのに、
趣味嗜好がまさかのほぼほぼ悪役状態!
醜かろうと美しかろうと、誰かと誰かが敵対し、攻撃し、憎み合い、争い合っているのを見るのが、
ドチャクソに、
バチクソに、
それはそれはもう、
誰よりも、ずっと、ずっと、大好きなのです!

おまえ、正義の世界線管理局じゃねぇのかよ……?!
機構のスパイは、開いた口が塞がりませんでした。
ウソだろ? ウソだろ……?
機構のスパイは、文字通り、本物の悪魔を見るような心地であったのでした。

その後のことは、もうお題も回収しましたので、詳しくは書きません。
ただただ管理局は今日も平和で、機構は相変わらず、財政難でありました。

4/10/2026, 4:15:42 AM