「新年」
目が覚める。昨晩は除夜の鐘が鳴るまでなんとか意識を保っていたものの、年を越した途端に糸が切れたように眠ってしまったことを思い出した。しばらく布団の中で眠気と葛藤してからベッドから下り、まだ目覚めきらない体を引きずるように洗面台へ向かい顔を洗う。頭を上げれば、いつもと何ひとつ変わらない自分の姿がそこには映っていて、そんな自分を鼻で笑うようにふっと笑みをつくる。リビングのソファーに倒れ込むように座りスマホを確認する。ロック画面には夥しい数のLINEの通知が入っていた。機械的に指を動かし、定型文をなぞるように返信していく。新年だというのに、これと言って変わったこともない。ただ昨日の延長線上の今日があるだけだった。新しい年が始まったはずなのに、大きな節目だとわかっていても、「だからなんだ」と思ってしまう自分がいる。今日も実感が湧かないまま、ずるずると一日が終わっていく。
1/1/2026, 2:41:02 PM