水色紬

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高校の旧館三階の廊下から見える夕方の色が好きだ。
放課後の廊下には自分以外誰も居なくて、遠くからはまだチラホラいる生徒の物音が聞こえる。
窓の外は高い建物が無くて、工場や住宅街が見える。空がとても広くて、遠くまでよく見えた。
その空がキャンバスみたいに真っ赤な赤と深い深い青を混ぜて不安定な紫のグラデーションを描いてた。

その色が、美しくて、こわくて、とても好きだ。
ずっと私の中に残り続ける色。

6/22/2024, 2:36:43 AM