一番になりたかった。
二番ではなく、勿論最下位でもなく、
完全無欠の一番になりたかった。
勉強も運動も、得意なことはなかった。
外見も、精々中の下程度では話にならなかった。
コミュ力もなければ、家やネット上なら強いということもなく。
霊感とか、そういった特異な事もなかった。
一番になりたかった。
自分以上に出来る者はないと、胸を張って言いたかった。
そうすれば、君の選択肢に入れると思った。
そうなれば、君の前で名前を言えると思った。
画面の向こうの君に、ちゃんと認知して貰えると、思ったのに。
<誰よりも>
2/17/2024, 9:00:31 AM