nanagraph

Open App

「20歳」

最近私は、時代に取り残されているのではないかと思う。

世の中は、進歩している。昔は当然だったものが今は無いなんてことが、少しずつ、そして確実に増えていっている。

私は先日、久しぶりに、本当に久しぶりに近所のガストに行ったのだが、私はたいそう驚いた。

まず圧倒的に店員さんの数が少ない。少し遅い時間帯に行ったからかもしれないが、見たところホールの接客担当は一人だけで、その人も、客を席に案内するだけのようだった。

なんで?

案内されるがままに席について、まず一つ、疑問が解決した。注文はタッチパネルで行うのだ。一応店員さんを呼ぶためのボタンが各席に設置されていたが、使うことはまずない。一昔前まで店員さんとやりとりしていたことが、タッチパネル上ですべてできるのだ。

そうだよね、そうなるよね。

いつからこのシステムになったのかは知らないが、私はそんなにもガストに来ていなかったのかと、そのことのほうが驚きだった。

注文を済ませてスマホを見ながら待っていると、チャンチャカチャンチャカと、へんてこな電子音が聞こえてきた。なに?なに?私はスマホから顔を上げると、まったく予想もしていなかった出来事に、思わずスマホを落としそうになった。

そこには、へんてこな電子音を鳴らしながら、配膳してるロボットがいたのだ。

わたしは心底驚いた。いや本当に驚いた。工場なんかではすでに FA 化が進んでおり、AMAZONでは、自走式ロボットが工場内を縦横無尽に動き回っていたりするのを、知識として知っていたが、まさかこんな近所のファミレスにロボットが導入されていたとは!

休職してからはほぼ引きこもり状態の私だが、やっぱり外にはでるべきだと少し思った。世の中は、私が思っている以上に進んでいるのだ。

もう一つ驚いたのは、父と回転ずしに行ったときだ。

近所で回転ずしが、新装オープンしたので行ってみたのだが、まず回転ずし屋なのに、寿司が回転していないのに驚いた。でも回転していた当時のレーンは残っている。

注文は、例によってタッチパネルだ。新装前も、注文はタッチパネルだったので驚きはしなかったが、当時配膳レーンの内側にいた職人さんがいない。前は回る寿司の他に、個別に食べたい寿司を注文すると、職人さんがにぎって持ってきてくれたのだ。

確かに回転ずしは廃棄によるロスも多そうだ。すべて個別注文にして、見えないところでロボットが握ったほうが、効率がいいのだろう。最近の円安で、100円寿司が100円ではなくなった今、少しでも利益をだそうとすれば、必然的にこうなるのは仕方がないのかもしれない。

そんな話をしていると、タッチパネルからまたもやへんてこな電子音がなり、「まもなくご注文の品が参ります」と表示される。なに?なに?と思っていると、目の前のレーンが回り、注文した寿司が私たちの席のところでピタリと止まり、手前に押し出されてテーブルの上にやってきたのだ。

なんと、ここにも FA の技術が!どこにセンサーがついているのかわからないが、よくできたものだなあと感心したものだ。

もう回転ずしで、目の前に回ってくるはるか前から狙いをつけていたのに、手前のお客さんに先に取られたなんてこともないのだ。当然、もたもたしているうちに取り損ねたなんてこともない。

その他にも、世の中に普及しているのによくわからないものが多々ある。その中の一つがスマホ決裁だ。えっ?と思われる方がほとんどだと思う。でも私の iPhone6s ではスマホ決裁ができないので、なんちゃら PAY を使ったことがないのだ。いやその前に 6s なの?と言われそうだが、6s なのです。

カードのタッチ決裁も、最近ようやく使えるようになった。それまではいちいちカードを端末に差し込んで、暗証番号を入力していたのだ。今考えればもっと早くカードを切り替えておけばよかったよと思う。

頭の中がアナログな私には、まだまだ知らない便利なものやサービスがあるに違いないと思う。

そして20歳の頃、母にビデオの録画予約のやり方を説明するとき、なんでわからへんの!と思っていたことが、今私の身に起ころうとしている。

そんなこともわからへんの?と、娘に言われる日も近いような気がする。

1/11/2023, 10:29:57 AM