死体となり一層凹んだ頬肉を、魂だけの存在となって見下ろす。俯いて泣いている母に、言葉を空気に乗せることができないからアイコンタクトを送った。だが気づいてもらえなかった。手を伸ばす。この手を掴んで。お願いだから一人にしないで。この場所は寒すぎる。
身体が炎に包まれる。
"ああ、温かい。火葬で良かった"
死んだら身体は冷たくなるけど心は暖かな場所、祖母のいる場所に行けるといいなと願ってる。いつか母もやってくるだろう。その時は昔みたいに一緒に女子会しようね。
題『行かないでと、願ったのに』
11/3/2025, 7:39:54 PM