スープ

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おわんみたいにした両手の上に、あるだけの星を並べてみた。手のひらにおさまるそれは綺麗で、色んな角度から見てみようと上下左右に動かしてみるから、親指の付け根のところから一つ、勢いあまって星が溢れた。両手が塞がっているからただそれを眺めるだけだった。

「金平糖ってこの形だからぎりぎり美味しいよな」
「金平糖は美味しくないだろ」

死人が星になるというなら、金平糖にもがんばればなれるよ。メルヘン度は多少落ちるのかもしれないけど。
星を見失った。

ただ一点眺めていたはずだった床の上の星はもう見つからなかった。
まだ両手の中にある星たちをいったん全部袋に戻して僕は独り言を言った。
ふたご座流星群の襲来。

3/16/2024, 7:16:56 AM