どんなに離れていても
世の中は、
余りにも残酷で。
時間は、
容赦なく過ぎていく。
貴方と過ごした日々は、
静かに、でも、確かに、
過去のものとなって、
貴方の微笑みも、
少しずつ遠ざかっていく。
周りの人々の心から、
部屋に残った温もりから、
貴方の気配は、
静かに消えていく。
だけど、俺は。
ずっと追ってきた、
貴方の背中が見えなくなって。
教えて貰ったことを、
握り締めたまま、
前に進めずにいるんだ。
貴方に逢いたくて、
俺は空を見上げる。
けれど。
貴方がいる、空は、
悲しいほど、高かった。
爽やかな風が、
そっと吹き抜ける。
まるで、俺の涙を攫っていくように。
分かってた。
どんなに不安でも、怖くても、
独りで生きていくしかないことを。
貴方を忘れることなんか、
出来はしない。
なら、貴方を失った孤独を抱えて、
真っ暗な道を独り進むしかない。
貴方が安らかに待つ、
穢れのない空と、
俺が縛られている、
汚れきった大地は、
きっと、どこかで繋がっている。
……どんなに離れていても。
必ず、貴方に逢いに行きます。
だから。
俺が、貴方の元へと、
辿り着いたときには、
たくさん、褒めてくださいね。
4/27/2025, 6:44:03 AM