ねこ

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3日ぶりに早朝のゴミ出しをした。

玄関のドアを開けた瞬間、凛とした涼しい空気が皮膚の上を撫でて、夏の湿度に抱かれっぱでいた私の首元から汗を奪っていった。

昨夜、意味もなく人生初のオールを決めたこの部屋の空気は、いつのまにか秋めいた外界の季節から置いて行かれていたらしい。

しかし、徹夜の眠気と気怠さの狭間では身なりを整える気力など起きず、寝巻きのまま外へ出たため、まるで悪事でも働いているかのようにそそくさと早足でゴミを放り投げて部屋へ戻った。

中に入ってすぐ目に入ったのは、昨晩久しぶりに懸命に片付けた結果、そこそこな量になった可燃ごみとプラごみの袋の山。
こちらはまだ収集日が先なので、しばらく同居する予定だ。

次に目に入ったのは、流し台の横で雑に干されている皿たち。
朝、生ゴミを捨てに行くという目的ができてやっと洗う気になった。そもそも、今日の日付になってから初めて頑張ったことがこれだ。

おそらくもうその次あたりに目に入ったのはスマホかベッドだったと思う。そして、意味のないオールが完成した意味を再度自分に叩きつける結果となった。

正直、これを踏まえて今の自分の生活が輝いているかと問われたら、光輝くどころか何の影もないと答えるだろう。

何でこうなったのかといえば、まずこの大学のえげつなく長い夏休みに対し、周りとの人間関係が少ないことに加え、1人での過ごし方がよくわからなかったことが主な原因だろう。そしてこれは親に顔向けができない話だが、何かやりたいことをやるだけの熱意も足りなかったという追い打ちもある。
それは怠惰を招き、生活の質を落とし、スマホ中毒になり、昼夜逆転を引き起こし、部屋の状況も家主の状況もボロボロにした。

そんな状況の中から何かひとつでも自分のためにしてあげられることはないかと、昨日少しだけ躍起になって流れを断ち切り、片付け大戦争を勃発させた。

髪の毛が落ちた床やカーペット、ベッドのシーツに布団カバー、物をかき分けないと使えない机、タンスの中等、片っ端から全部ひっくり返して掃除した。さっき皿を洗うことができたのもこの流れのおかげだ。

なのに結局またスマホに舞い戻っているのでは昨日のことがパァじゃないかと、少々がっくりしていた。

























その後シャワーを浴びた私は、ひとり暮らし以降初めて綺麗に畳まれて用意された着替えを見て、でもやっぱり人生ってこれなんだろうなと感じたのだった。






今日のテーマ「きらめき」

9/4/2023, 11:27:25 PM