よつば666

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お題『まだ知らない君」1/31出題用
 ※お題『日陰』の続き※

芳野は畑の上でバケツに入った土のついた雑草を逆さまにして全て出した。そして一本一本丁寧に雑草を取り出し、土を畑の上に落としていく。その様子を1番左端の畑で刃の部分が4本に分かれている備中鍬(びっちゅうくわ)を持ったまま可崘の祖父はしばらく何も言わず見つめる。
自分も畑を始めたばかり、何も分からなくて数日間、近所の農家の人に教わった時もそうだったなぁと思い出していた。

芳野が再び雑草抜きをはじめた頃、可崘が麦わら帽子をかぶって小走りでこちらにやってきた。

委員長(可崘)「おじいちゃん、芳野さん。遅れてごめんなさい」

芳野「そんな焦って来んでも大丈夫や。畑は逃げへんよ」

委員長(可崘)「そうですよね。私(わたくし)ったらつい焦ってしまったわ」

芳野と委員長は笑った。委員長は祖父の近くに歩みより声をかけた。

委員長(可崘)「おじいちゃん、私も今日は雑草抜きをしたらいいのかしら?」

可論の祖父「あ、あぁ。じゃあ芳野さんの隣の畑(右端から2番目)の方を頼んだよ」

委員長は返事をして屋外用物置から軍手と小さなシャベルを取り出し、雑草を抜きはじめた。
祖父は自分の作業が1ミリも捗っていないことに気づきせっせと畑を耕す。
耕しながら今日、知人と紹介されたばかりでまだ何も知らない君(芳野さん)の事を可崘はどう思っているのだろうと気になった。

End
〜委員長編とあセカ原案100話

1/31/2025, 6:59:49 AM