『セーター』2023.11.24
毎年、この季節になると妻がセーターを編んでくれる。家族の分はもちろん、俺と同じ演劇ユニットのメンバーや、同じ事務所の仲のいいミュージカル俳優の分、そして今年から新たに仲間に加わったアイドルたちの分も編んでいる。
一着編むだけでも大変なのに、そこまでしなくてもと思うのだが、彼女は特に苦に思っていないそうだ。
好きだからやっている、と彼女は笑っていう。
毎年のことなので、うまいこと全員の分のセーターを平行して編んでいるようだ。さらに毛糸の色を共通のものし、ワンポイントで色を変えているのでそれが時短になっているのだ。
そして、今年は興味を持った息子たちが手伝っている。俺の分を妻に教わりながら、順番こに編んでいるさまに危なく泣きそうになった。
難しいところは奥さんが、簡単なところは次男が、すこし難しいところは長男がといった具合に。
編んでいると、あの色を入れたいこの色を入れたいと息子たちが要望を出すので、俺のセーターは他のものを比べると少しだけカラフルだ。
青に黄色に赤、緑に紫にオレンジなどなど。
これは外で着るとかなり目立つだろうなという懸念はあるが、この世にあるどのセーターよりも暖かいことだろう。
なにせ、妻だけでなく子どもたちからの愛情がこもっているのだから。
11/24/2023, 1:40:01 PM