いつもは車やバイクで移動をする恋人たちは、電車で遊びに出掛けている。
だからこそなのか、彼女の瞳からわくわくしている期待感が青年には見えて、口角が上がった。
彼女の仕事上、車両に関わっているので普段の移動手段も車が多いから、青年はこの旅行の移動手段を電車を選んだ。
「どこまで行くんですか!?」
彼女には行き先を伝えていない。
だから、青年は人差し指を口元に寄せて、悪い笑みを彼女に送る。
「なーいしょ」
行先は終点。
彼女はワーカホリックなので会社から中々出ることがない。だから、この都市で知らないことが多い。
仕事のメンバーで行って楽しかった記憶のある場所に、どうしても彼女を連れていきたかった。
「楽しい旅行にしようね」
青年の言葉に振り返った彼女は満面の笑みで笑う。
「はい! たくさん思い出作りましょう!!」
おわり
お題:終点
8/10/2024, 1:04:48 PM