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入道雲
入道雲を積乱雲と呼んだりしたのに、曇りを雲りと書いていたあの頃の僕は一体何を考え感じていたのだろう。
僕はたぶん独りになりたかったはずだ。疲れていた。
わけの分からない会話、同じようなひょっとしたら、あの人の方が知識がなかったはずだ。
それを知るようにと普段の言葉とは違う言葉を使ってどこでもみたかったのかもしれない。
全うに曇りという漢字そしてその他のいろいろな漢字を覚えて何を言われても揺らぐことのない自信を持つようにとあの頃の「僕」にゆっくりと時間を掛けて話して聞かせてあげたい。

6/29/2023, 8:32:54 PM