頭が嘴にハンマーでも付けた啄木鳥につつかれてるみてェに痛むんだ。
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多分、極限まで行ってしまえば後悔さえ贅沢になるのだろうと思う。未来で過ちを犯さないために後悔なんてのがあるのだとすれば、ひっくり返せば後悔するのは未来があるということなんだろうと。
ただまあ、それで後悔の味が良くなるかってッたらんなこたァないよなァ。あれは、胸を掻きむしりたくなるほどに苦くて、面の皮剥がしたくなるくらい顔が熱くて、臓物全部投げ捨てたくなるくらい痛くて、頭がぐわんぐわん回ってるみたいに吐き気がする。思い出す度にそこらの川にでも飛び込んでやろうかなんて思う。
だけれども、自分を火にくべて丸焦げにしているだけマシだ、とも思う。他人や世の中に筋の通らん怒りを向けるよかまだ心が生きている。ような気がする。
よく物語で出てくるような、勢い余って世界滅亡を目論むような悪役はきっととんでもなく不幸で、とんでもなく孤独だったんだろう。その心は血だらけで、そうするしかもう生きていかれなかったんじゃなかろうか。
……後悔、後悔ねェ。後悔するだけ無駄だとか、後悔したって過去は変わらないだとか、世間じゃよく聞く言葉だ。真理ではあるのだろうが、それだけ人間が「後悔」をして苦しんだからこそ生まれた言葉でもあるんだろう。
そして、ま、そんだけ後悔する奴がいるんだ。ならばそれは人間として持つ機能のひとつで、いつかどこかの段階で生存に必要だったから備わった技能なのかもしれない。
そういうことを布団にひっくり返ってゴタゴタ考えているんだから、人間とはまこと奇っ怪な生き物なんだろな。
──ああ!そうとも!俺ァ後悔してるさ!呑まなきゃ良かったってな!!
「後悔」
5/15/2024, 12:29:03 PM