君と見た虹
あの時の私は、あなたのことが好きだからこそ不安でいっぱいだった。
どんどん減っていくメッセージとデートの回数。
付き合ってまだ全然経ってないのに、もう冷められたのかなって不安だった。
だからあなたを呼び出したの。
私の思いを伝えるために。
あなたの大好きなコーヒーを口実に、あのカフェに。
窓から見える雨空は、私が作ったものだった。
長時間の話し合いの末カフェから出ると、空にはほんのり輝く虹。
ああ、雨、止んだんだ、よかった。
隣で虹を見るあなたの目も優しく輝いていた。
あなたは私の話をじっくり聞いてくれた。
私の不安を分かった上で慰めてくれた。
私の心にも温かい虹がかかった。
しかし、もう二度とあなたと虹を見ることは出来なかった。
わたしがあなたに見た虹は、ひと時の幻想に過ぎなかった。
2/22/2025, 12:35:26 PM