—初詣—
正月がきた。
ただ、今年大学受験を控えている俺は、うかうかしていられない。
『神様、どうか頭が良くなりますように。どうか頭が良くなりますように』
賽銭箱の前で手を合わせる。
去年はなかなか成績が上がらなかった。こうなったら神頼みしかない。
拝殿を後にし、階段を下って行った。
「おみくじやる?」母に訊かれた。
「せっかくだしやろうかな」
母に百円をもらい、列に並んだ。思っていたよりも人が多い。
「初穂料をお納めください」
ようやく自分の番が回って来た。巫女さんに言われた通り、百円玉を手渡した。
茶色のみくじ箱をガラガラ振り、一本棒を引き抜いた。
「十九番でした」
「はい、お受け取りください。良いお年をお過ごしくださいませ」
渡されたくじを眺める。
今年は『吉』だった。悪くはない。
神様からの言葉や待ち人、失物などがずらっと書いてある。
「学業、『人に頼らず自ら励め』か……」
神様は見ているのかもしれない。
残り少ない時間、全力で追い込もう、と俺は思った。
お題:良いお年を
1/1/2026, 2:31:13 AM