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街へ

「うわあ~でっかいビル!」私は思わず
大声になってしまう...

「やめてよ田舎感丸出しにするの恥ずかしい」隣を歩く姉に窘められる。

私達 姉妹は、初めて都会の街に降り立った。

閑散とした 田んぼ道とは違う
アスファルトが目に眩しい

上を見上げれば大きなビル群が連なる
上にそそり立つ建物など私の住んでいる
田舎では、考えられない事だった。

まるで別世界 桃源郷である。

見た事がないきらきらしたお店が
右側の道にも左側の道にも広がっている

人も同じ人間とは、思えない程
雑誌のモデルさんみたいな綺麗な人や
格好いい人でいっぱいだった。

「ここが東京! 都会だ~ぁぁぁ」

私は足を前に踏み出し走りだそうとする
その途端 グイッと姉に襟首を
摑まれた。

「ちょっと こんなに人が多いんだから
走り出さないで 迷子になるでしょう!」

姉に止められ 私は駆け出して行くのを
やめる

姉に従い まずは、原宿という所に行く
姉曰くそこは、可愛いが売っている
街だと言う...

私は首を傾げる。
どういう事?

可愛い 可愛い動物? 動物園
ペット屋さん
私は、想像を膨らませワクワクが
止まらなかった。

早速 原宿と言う街に行ってみる。
お店の内装がなんだかすごくカラフルな
店舗が多かった。

フワフワな犬の尻尾みたいなアクセサリーが売ってたり 犬耳や猫耳のカチューシャが売ってたり 動物の一部分を加えた
小物が多かった。

かと思えば ヒラヒラのレースが付いた
傘だったりドレスみたいにスカートの裾が
ふわりと左右に広がっていたり

お店ごとに全く系統が違っていたり
でっかい横文字が全面に広がった
サングラスや缶バッチがいくつも付けられる 透明なアクリル系のバックなど
私達が住んでる田舎では、絶対売っていないデザインの服や小物が棚に並んでいた。

飲食店もすごかった。
スイーツ系のお店はハート型を象った
アイスクリーム
七色の巨大綿あめなど 思わず携帯で
写真を撮りたくなる見た目の食べ物が
沢山並んでいた。

これが姉がよく口にする映えと言うやつか
私の地元は、携帯の電波も入りづらい為
インスタやSNSは、やっていないが...

姉は、ことある毎に私達の地元に疎らに
並ぶ 東京MAPをコンビニとかで
見つけるたびに買って来る為
私よりは、詳しく 都会の街の事前情報を
知っていた。

次は、クレープと言うスイーツを
食べた。
姉も私も原宿に来たら食べたかった物だ
薄いクレープ生地にバナナやイチゴ
生クリームやチョコレートを載せて
食べる。

最初 紙が巻いてあるので食べづらかったが食べて行く内に慣れた。

歩きながら食べれるので姉も私もご満悦
だった。

他にも色々な所を回り初めての東京観光は
とても有意義に終わった。

そうして私達 姉妹は、夢の東京観光を
楽しみ あそび疲れた後
帰りの特急電車の中でお互いの肩と頭を
枕にして 慣れ親しんだ 恋しくなった
地元に帰ったのだった。

1/29/2024, 6:12:17 AM