冬至。

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カーンカーン。
遠くで半鐘の音がする。
「おや、また火事かい?」
遊びに来ていた遊郭の外をなんとはなしに眺めてたら突然遠くから鐘の音が聞こえて来た。
「最近また火事が増えたらしいよ」
「放火も多いらしい」
近くにいた女郎らが口々に噂する。
「そういえばこの前の火事も火消しの男に入れあげたどこかの女が火をつけたらしいとか」
音がした方を見やると赤く空が染まっている。
「あんなに燃えちまったらどうにもならないねぇ」
ぽそりと呟く。
「あんたまたそんな他人事のように。こっちまで来ないように火消しに頑張ってもらうしかあるまいよ」
「しかしあれだね、さっきの…」

この時代放火は大罪だ。

「罪を犯しても好いた人に逢いたいとはどんな気持ちなのかねぇ」

逢いたくて堪らない思いの業火。
それと引き換えに彼女は何を手に入れたのだろうか。

遠くでまた鐘の音がひときわ激しく鳴り響いた。



                 (遠い鐘の音)

12/14/2025, 9:54:01 AM