エッセイ風味

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「透明な涙」

外気が頬に触れ、ぴりりとした寒さに身を縮める
時折手をさすりながらひとり街を歩く

息が白いなあと思っていると不意に鼻の奥がツンとなった。目に涙を溜めながら堪えていると、瞬きに合わせて一雫の涙がほたりと頬に落ちた

違うんです。生理的なやつなんです。泣いてる訳ではないんです。と誰に伝えるでもなくひとり頭の中で言い訳をしながら、なんでもなさげに涙を優しくぬぐう
きっと誰も私の事なぞ見ていない

1/16/2025, 11:52:13 PM