あなたは秋が香る人。
金木犀の香水らしい。
付けてみる?という誘いを断った。
しとやかで甘い声を持つ人。
帰り道、秋の香りがした。
振り返る。あなたの姿は無い。
代わりにたたずむ金木犀。
秋の香りは落ち着かない。
あなたがいるみたいで。
耳元で声をかけられたみたいで。
香水の誘い、今でもちょっと迷う。
付けてみればよかったかな。
いつでもあなたがいるってどんな感じかな。
金木犀の通りを抜けても、胸が大きく打っている。
やっぱりむりだな。
ずっと隣にいられたら何も手につかない。
でも、明日もさっきの道を通ってみようかな、なんて。
題:秋
9/26/2024, 12:22:45 PM