別離は 四季を消す
絵のように世界は白々しく聳え
街は 永遠のモノクローム
愛はきっと植物の緑にそっと宿るのだろう
潤うたびに水晶の花が咲くのだろう
消えた体温は 詩に姿を変え
君は幾度もやって来てくれるのだろう
数え切れない季節はそうやって
瞬間をファインダー越しに連れて来るし
居場所を見つけられない僕に
見えない花の香りを届けてくれる
誰かは 侘しいよと訴えるかもしれない
けれど 良く考えれば
そもそも 僕らの上陸したこの地上は
偽りの舞台(phantom)
偽りの愛(phony)
偽りの約束(phasmophobia)
に
縛られているのだ
無視してしまおう
結び付きは途切れはしない
ただ 別離のたびに
歌を歌えば良いらしい
やがてその声が聴こえる頃
街には鮮やかな花が咲き誇るだろう
その花は誰よりも美しい (phenom)
5/21/2022, 4:41:28 AM