夜間

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消えた星図



空を見上げたところで、地面を這いつくばったところで、もうあの星は戻ってこない。

無意識にアイツの家に行ってしまって、ソファに寝そべる。そこで初めて、誰もいないことに気づいた。

静寂でしかないこの家の風景が、どうも慣れなくて仕方ない。

星図に一つ星が消えたところで、ニュースにもなりはしないように、アイツがもうこの地球に戻ってこないところで、世界は何も変わらない。

「……俺、何してんだろ」

涙が流れるわけでも、喪失感に浸っている訳でもないのに、この家に来たり、アイツのことを考えたりしてしまうのは何故だろうか。

アイツが最後に言った言葉が、どうしても胸に引っかかるからだろうか。

『お前より、俺の方が強い』

この言葉は、アイツ也の気遣いだ。それはアイツと関わってきた上で、痛い程理解出来る。

「あ、絆斗、また来てた」

「ショウマ……」

こんな姿は、ショウマだろうが誰だろうが、見られたくはない。だからといって、こんな所で独り考え事をしていても何にもならないことは確かだ。

「俺にとってラキアは……なんだったんだろうな」

自問自答のような自分の発言に、疑問が浮かび上がる。

「うーん、……絆斗にとってラキアは、分かち合える仲間だったんじゃない?」

「俺が?」

「うん。だって二人なんか似てたじゃん」

似ていた?

俺と、ラキアが。

前にラキアが言っていた気がする。ショウマが言っていたように、似ていると。

「二人とも、見えない星を探し続けてるみたいだったよ」

「……じゃあ俺は、星を二つ見失っちまったようだ」

ソファに身体を任せるように座り込んで、ショウマを見つめた。ショウマは、こんなどうしようもない俺を、明るい笑顔で見つめていてくれた。

交流を深めた人物が居なくなってしまった時の悲しみは、もう何度も経験している。しかし、だからといって慣れている訳ではない。

もう、慣れる時なんて来ないのだろう。

「ショウマは、居なくなったりしないよな」

「大丈夫。オレは太陽だから!」

「は、はははっ……お前それ、自分で言うか?」

星は一つ消えても気づきにくいが、太陽は一つでも消えれば気づくだろう。

10/16/2025, 11:26:41 AM