水碧

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「また会おうね」

なんてカオリ言ってさ。言ったあとすぐ泣いてやんの。

「これからずっと会えないわけではないでしょ」

そう言ってみても、カオリから流れる涙は止まらなかった。

「そんなの……わかってるよ。でも、ユミが遠くに行っちゃうのが寂しいの!ユミは私と離れて寂しくないの?」

カオリは、素直だなぁ。
寂しいかなんてさ、そんなの。
グッて気持ちを飲み込む。だってあたしまで寂しいなんて言ったら、じめっとしちゃうじゃんね。


「べっつにー。同じ国内じゃん?連絡も取れるし!」
って言ってみた。

カオリはいつものように唇をとがらせてて、不満そうだ。
と思ったら、ビックリした顔をいきなりした。ついには、ニヤニヤしだした。

「そんな強がり言ってさ、その涙はなによ?」

あちゃー、バレたか。
強がっても涙って出ちゃうものなんだね。

「また何を強がってるか知らないけど!最後くらい寂しいって言えばー?」

ニヤニヤしながら、涙を拭いながらカオリが言う。
なんて顔なん、って笑いたいけど、
正直あたしだって寂しいんだよね。

「まあ、寂しいっちゃ寂しい。でも国内じゃん?そのうち会えるでしょ!」

「アハハ、ユミらしい!そうだね、寂しいよね、また会えるよね」
カオリが笑ってくれた。なーんだ、しめっぽくなんてならないんだ。


ついには2人とも涙で顔がぐしゃぐしゃだ。


「あー、そろそろ行かなきゃ、お母さんが呼んでるわ」

「あー、もうなの!寂しいなぁ」

「あたしだって寂しい!」

「おー、ついに素直になったか」
カオリが嬉しそうに言う。

「もう強がるのもやめた!だから、じめっとさせないでね」

ハイハイ〜ってカオリが最後は笑顔になって、楽しそうに言う。


じゃあ、
「「また会おうね」」



また会いましょう

11/13/2022, 11:25:46 AM