ね。

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からん、ころん、と音がする。



旅先でみつけた、小さな宿。
着いてすぐに畳みにゴロン、と寝転がったボクは、いつの間にか眠っていたらしい。



目を瞑ったまま、耳を澄ますと、
からん、ころん、という可愛らしい音は、どうやら足元で鳴っているようだった。



そ~っと体勢を変えて、足元を見てみる。




そこにいたのは、どんぐりみたいなこびとだった。ボクの足の親指くらいの大きさで、手には木でできた鈴のようなものを持っている。それをゆっくりと揺すりながら,どんぐりこびとは歩いていた。
ただ、まっすぐに。




すごく不思議な光景だったけど、なんだか心があったかくなって、ボクはそ~っと体勢を戻し、目を瞑ってその音を聴くことにした。




からん、ころん。
からん、ころん。
からん、ころん。





次に目を開けた時、視界はまっ暗だった。耳を澄ませても辺りはし~んとしていて、何の音もしない。しかも、なんだかとてもひんやりしている。



どんぐりこびとはどこに行ったのだろう?
夢だったのかな?



ボクは、ぼんやりしながら身体を起こし、ポケットからスマホを出して、辺りを照らし、愕然とした。



なぜならそこは、小さな宿の一室ではなく,大きな大きなどんぐりの木の下だったのだから。





どこからか、
からん、ころん、という音が聞こえてきた。

5/5/2026, 3:59:39 AM