センチメタル

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 ・お題【タイムマシーン】


 昔から、好きになったゲームは直ぐに終わってしまうのが当たり前だった。

 好きだから早く攻略した、好きなジャンルだから動かすのも得意だった、とか、そういうわけじゃない。

 大人の都合で、サービスが終わったりするんだ。

 仕方ないこと、とは分かってる。
 寧ろ、よく自分の目に止まるまで、終わってこなかったなと思うこともよくある。

 けど、そうだからって悲しさが無くなるはずがないんだ。

 終わりを感じる程、もっと遊びたいって思える。
 それが出来ないことに震えて、涙が出てくる。

 悔しくて、寂しくて、そんな感覚から逃げるようにちゃんとした終わりさえも、見ようともせずに離れてしまう。

 定期的に、本当に終わるんだろうか、なんて考えてしまって、公式サイトを開いたりもする。

 うんともすんとも言わない、或いは、サービス終了に合わせたイベント告知。
 どっちだったとしても、見ているだけで悲しい光景が晒されているだけなのに。

 もっと続けばいいのに。
 それか、お金を払った人にだけそのゲームのデータをくれたりしないかな、なんて考えたことも沢山ある。

 でも無理だった。
 どれだけ有名なゲームでも、どれだけ素晴らしいゲームでも、終わりを告知した時点で未来が無くなってしまった。

 昔に戻りたい、わけじゃない。
 未来が欲しい、その通りだ。

 でも無理だから。

 ならせめて、過去を保存させてはくれないか。

 ……きっと、無理なんだろう。

 それが出来たら、後悔なんてしてこなかった。

1/22/2024, 3:31:09 PM