高嶋のぎ

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夢見る少女のように


母親がまた恋をした。
私が知る限り父と別れてから5度目の恋だ。

恋は盲目というが、今度の男は最悪だった。

何があったか言いたくないし、思い出したくもない。
とにかく母も暴力を振るわれたしお金も持ってかれた。
母は泣いた、私を抱きしめて泣いたが、気づいてしまった。
夢見る少女のような瞳に。

あぁ、この人いま自分の不幸に浸ってるだけだなと。

案の定、別れた後も似たような男を選んだ。
私は逃げるようにして友達の家を転々とした。

母は、私を守ることを選ばずに男を選んだのだ。
その夢見る少女のような瞳で。

6/7/2025, 5:27:27 PM